FARM BRIDGE
ヒト・モノ・コト・ミライ。すべてをつなぐ結節点へ。

Our Passion / わたしたちの想い

わたしたちと「地方」との最初の接点は、塾の仕事で関わった通信制高校でした。

彼らがスクーリングを行うキャンパスが、茨城県大子町にある。

当時、わたしたちにとって大子町とは、その程度の認識でしかありませんでした。

転機は、時を同じくして知った、ある衝撃的な事実です。

新潟に実家がある友人の祖父は、米農家でした。

しかし、後継ぎはおらず、今では水田を他の人に任せている。

さらに、高齢の農家さんの中には、農具のリースを組もうにも「この年齢で新しく借金をしたくない」と、継続そのものを諦めてしまうケースが後を絶たない——。

「このままではいけない」

その強い想いが、ファームブリッジの原点です。

最初は、わたしたち自身が農業に参入しようとしました。

しかし、現実は甘くありませんでした。

都会からの「よそもの」に、農家さんが大切な土地を預けてくれるはずがない。

仮にクリアできても、わたしたちにはノウハウも、東京から頻繁に通う時間もない。

この計画は、諦めざるを得ませんでした。

それでも、「このままではいけない」という想いだけが、燻り続けていました。

そんな時、旅行代理店の友人から聞いた「おてつ旅」の話が、通信制高校の記憶と結びつきました。

「そうだ、自分たちが農業をやる必要はないのかもしれない」

「まずは、ルネサンス高校の生徒たちに、農業体験をしてもらおう」

「それを主宰すれば、農家の人たちと『つながり』が持てる。そこから何かが変わるかもしれない」

わたしたちがやるべきは、プレイヤーになることではなく、「つなぐ」ことだ——。

この企画を立てるため、大子町役場にご紹介いただいたのが、米農家の谷田部さんでした。

大子町で初めてお会いした谷田部さんの人柄、彼が作るお米の驚くべき美味しさ、そして彼が語る農家の苦悩。

その全てに触れた時、わたしたちは確信しました。

これは、一農家の問題ではなく、町の問題だ。

いや、日本の「構造」そのものの問題なのだと

わたしたちファームブリッジは、この「構造」を変えます。

ただし、わたしたちが全てをやるわけではありません。

わたしたちの役割は、生産者と消費者、地方と都市、モノと人、そして、今と未来——

それらの「間」に立ち、新しい「橋」を架けることです。

このページは、その「未来への橋」の設計図です。

どうか、わたしたちと共に、この橋を渡る仲間になってください。

Our Core Concept : “BRIDGE” / わたしたちの核は「つなぐ」こと

ファームブリッジの核は、モノ(農産物)を右から左へ動かすことではありません。

わたしたちの核は、その名が示す通り『つなぐ(Bridge)』という思想そのものです。

今、都市と地方は距離的にも心理的にも分断され、生産者と消費者の顔は、お互いに見えづらくなっています。

素晴らしい技術や哲学は、後継者を見つけられず、”今”から”未来”への継承が、静かに危ぶまれています。

わたしたちは、農業を「中心」として、これら分断されがちなものを、もう一度『つなぎ直す』存在です。

「都市」と「地方」を、本物の価値でつなぐ。

都市のニーズと、地方のポテンシャルを正しく結びつける

「今」と「未来」を、「世代」の継承でつなぐ。

熟練世代の「技術」と、次世代の「可能性」を結び、持続可能な仕組みとして未来に残す

「人」と「人」を、食を通じた信頼でつなぐ。

生産者の誇りと、消費者の感動を双方向で結びつける

それがファームブリッジの使命です。

Vision, Mission & Value / ビジョン、ミッション、価値観

STEP
【Vision / 私たちが見据える未来】

「『本物』の価値が、『世代』や『背景』を超えて継承され、

新たな『成長』を生み出し続ける社会。」

「地方が『主役』となり、自立的に『成長』し続ける社会。」


私たちが見据えるのは、熟練の技術が、「新しい担い手」の情熱によってさらに磨かれ「新しい成長」へと昇華していく未来です。

年齢、国籍、経歴に関わらず、「ここで働きたい」「ここで生きていきたい」と願う志ある人々が、安定して生活できる(=持続可能な雇用がある)地域が、日本中に増えていく未来。

価格競争ではなく、誇りある「価値」で選ばれる農業が、地域経済と、そこに根付く**「文化」の「成長」**を牽引する社会。

それが私たちの目指す未来(Vision)です。

STEP
【Mission / 私たちが果たす役割】

「農業をハブ(中心)として、地域と人の『成長』につながる、新しい循環を設計する。」

「地域の『構造』にまで踏み込み、『持続可能な雇用』を創出し、地域が自ら『成長』できるビジネスモデルを実行する。」


私たちの役割は、評論することではありません。

私たちは、地域の「中」に入り込み、生産者、自治体、そして新しい担い手たちと汗をかき、「つなぐ」という機能(事業)を通じて、志ある人が報われ、「成長」できる仕組み(Mission)を、現実に創り上げます。

STEP
【Value / 私たちが大切にする価値観(行動指針)】

私たちは、VisionとMissionを達成するために、以下の価値観に基づき行動します。

  1. 「傍観者」ではなく「実践者」であること(Be “Doers”, not “Talkers”)

私たちは、農業のプレイヤー(生産者)ではありません。

しかし、地域の課題解決においては「傍観者」や「評論家」にはなりません。

私たちは、地域の「中」に入り込み、課題を「自分ごと」として捉え、「つなぐ」という「実践」を通じて、責任を持って汗をかきます。

  1. 生産者への敬意(Respect for Artisans)

全ての始まりは「本物」の作り手への敬意です。谷田部さんのような生産者の技術、哲学、そして彼らが見ている風景を深く理解し、その価値を最大化することを約束します。

  1. 未来への「成長」に種をまく(Sow for “Growth”)

私たちは「今と未来をつなぐ」存在です。目先の利益や一過性の成功に惑わされず、常に「持続可能か?」「未来の『成長』につながるか?」を問い続け、種をまきます。

  1. 地域と共に「成長」する(Grow with Community)

私たちだけが成功しても意味はありません。私たちのゴールは、地域が「自走」できる仕組みを創ること。常に地域と共に考え、地域と共に「成長」します。

  1. 誠実な「橋」であること(Build “Trust”)

私たちは「橋」です。橋は、信頼がなければ渡れません。生産者、消費者、パートナーに対し、常に透明で誠実なコミュニケーションを貫き、揺ぎない信頼関係を築きます。

How We “BRIDGE” / 私たちの「つなぎ方」

私たちが解決したい「根本テーマ」

わたしたちが本気で解決したいテーマ。

それは、「限界集落」という言葉に代表される、地域コミュニティの「持続可能性」そのものの危機です。

この「根本テーマ」は、地域の基幹産業である農業において、以下のような深刻な「症状」として表れています。

  • 農家の人材不足
  • 農家の後継者不足
  • 放置された農地
  • 「人を増やしたら生活が苦しくなる」という価格構造の歪み

私たちのソリューション(つなぎ方)

この根深く複雑な問題に対して、「これさえやればいい」という単一の解決策(特効薬)は存在しません。

わたしたちファームブリッジの最大の強みは、「こうあるべきだ」という理想論(守る)に固執せず、地域が「成長する」ための最適な解決策を「ケースバイケースで実践する」ことです。

  • ある地域では、技術革新(スマート農業)を導入し、「人口がいなくても成り立つ」仕組みをつなぎます。
  • ある地域では、外国人や都市部のセカンドキャリア人材を「新しい担い手」としてつなぎます。
  • そして谷田部さんのケースのように、「価値の翻訳」によって価格構造を是正し、「人を雇える」産業へと成長させます。

私たちは、Vision(未来)をただ待つのではなく、Mission(役割)を果たすために、これらの課題に「実践」で向き合います。

ファームブリッジは、地域のあらゆる課題と可能性に対し、「つなぐ」という思想で、以下のような多角的なソリューション(事業)を提供します。

1. 【価値をつなぐ】 価値の翻訳と販路開拓 (Branding & Market Access)

これが「構造」の課題=価格の歪みの是正、に対する答えです

地方には、まだ光の当たっていない「本物」が眠っています。

その「目に見えない価値」を、都市が理解できる「ストーリー」と「適正価格」に翻訳し、その価値に心から共感し、正当に評価してくださる市場へとつなぎます。

これが「人を雇っても豊かになれる」価格構造の是正につながります。

2. 【ヒトをつなぐ】 人材のマッチングと育成 (Human Resources)

これが「人」の課題=人材・後継者不足、に対する答えです

地域の最大の課題は「人」です。

私たちは、人材派遣事業(=人材不足の解決)を行います。

さらに、通信制高校の農業体験など教育機関とも連携し、志ある「新しい担い手」(=後継者不足の解決)と地方の現場をつなぐ「学びの場」を創出し、未来の担い手を育てます。

3. 【モノをつなぐ】 資産の共有 (Asset Sharing)

これが「放置された農地」の課題に対する、一つの答えです

「挑戦したいが、リスクが取れない」

高齢化やコストを理由に、高額な農機具の導入をためらう農家は少なくありません。

私たちは、ドローン、センサー、自動走行トラクターといった「スマート農業」に必要な高額な資産(モノ)を、地域で共有・レンタルできる仕組みを構築します。

少ないリスクで誰もが最新技術に挑戦できる環境をつなぎ、「放置された農地」の解消と生産性の向上を目指します。

4. 【体験(コト)をつなぐ】 体験と交流の創出 (Experience & Exchange)

関係人口の創出は、「体験」から始まります。

キャンプや宿泊プログラムを開発し、都市の生活者が単なる観光客としてではなく、地域の自然やコミュニティと深く交流できる「第二の故郷」のような体験をつなぎます。

5. 【知恵をつなぐ】 知見と技術の継承 (Knowledge & Skillset)

熟練農家が持つ「暗黙知(言葉にできないコツ)」は、地域のかけがえのない財産です。

私たちは、スマート農業の技術(例:センサーによる環境データ)も活用しながら、その貴重な技術や知恵をデジタル化・マニュアル化(=「形式知」)へと変換します。

これにより、世代や経歴に関わらず、誰もが「本物」の農業にアクセスできる仕組みをつなぎます。

Case Study / ケーススタディ

01:大子町プロジェクト(モノ基点)

「つなぐ」思想の、最初の実践。

私たちの原点であり、全ての「つなぐ」思想が始まった場所。

それが、茨城県大子町です。

私たちが「わたしたちの想い」で触れた「ルネサンス高校」のキャンパスがあり、私たちが初めて「農業のリアル」と向き合ったこの地から、ファームブリッジの挑戦は始まります。

【パートナー / Partner】

米農家・谷田部さん

私たちは、大子町役場のご紹介で、一人の職人(アルチザン)と出会いました。

米農家の、谷田部さんです。

彼が作るお米の驚くべき美味しさ。

土壌や水、気候を読み解く、妥協のない技術。

そして何より、彼が語る農家の苦悩と、「このままではいけない」という地域への強い想い。

その全てに触れた時、私たちは確信しました。

「この人の『本物』の価値を、正当に評価される場所へつなぐことこそ、私たちがすべき最初の一歩だ」と。

【実践 / Action】

「価値の翻訳」から始める、活性化モデル。

私たちは谷田部さんと固く連携し、まずは「IV-1. 価値の翻訳と販路開拓」モデルをスタートさせます。

谷田部さんの技術の粋を集めた「ファームブリッジ専用米」をプロデュース。

その価値を伝える「ストーリー」と共に、その価値が正当に評価される「適正価格」で、

その価値に共感するシェフや、本物の食を求める一般のご家庭など、都市の「価値がわかる市場」へつなぎます。

【ゴール / Goal】

目指すは「活性化のドミノ・エフェクト」。

誤解を恐れずに言えば、このプロジェクトのゴールは「米を売ること」ではありません。

私たちが描く「地域活性化のドミノ・エフェクト」の、最初の一枚目を倒すことです。

  1. [第一のドミノ]

谷田部さんの高付加価値モデルが成功し、「人を雇える」だけの利益が確保できる状態になる。

  1. [第二のドミノ]

その姿を見た近隣の農家が「自分たちも」と追随し、成功モデルが地域に水平展開される。

  1. [第三のドミノ]

町の農業全体の収益が上がり、年齢や経歴を問わず「新しい担い手」が生活できる、安定した雇用が生まれる(=人口増加の基盤)。

  1. [未来への展開]

将来的には、この大子町で「人材派遣」「農具レンタル」「農業体験」など(IV-2, 3, 4, 5)の機能も展開し、多角的に活性化を支援する。

  1. [最終ゴール]

大子町が、外部の支援に頼るのではなく、自ら稼ぎ、人を呼び込み、文化を発展させ続ける「自走できる町」になること。


谷田部さんと踏み出すこの一歩は、その未来へつながる、

小さくとも、最も重要な一歩です。

Next Steps / 今後の展開

大子町モデルを、日本中へ。

私たちの挑戦は、まだ始まったばかりです。

まずは「ケーススタディ 01(谷田部さんとの米作り)」を軌道に乗せ、大子町に「活性化のドミノ・エフェクト」を起こすことに全力を注ぎます。

さらに、大子町において「人材派遣」や「農具レンタル」など、私たちが掲げる全ての「つなぐ」機能を順次展開し、大子町を「自走できる町」にするための、強固な仕組み(インフラ)を構築していきます。


そして、この挑戦を「大子町だけ」で終わらせません。

谷田部さんとの出会いがそうであったように、日本中には、まだ光の当たっていない「本物」の価値と、それを継承したいと願う「人」が眠っています。

私たちは、大子町で確立したこの「活性化の仕組み(大子町モデル)」を、次の地域、また次の地域へと展開していきます。

「第二、第三の谷田部さん」と出会うために。

「第二、第三のファームブリッジ」を、地域と共に創るために。

私たちの「橋」を架ける旅は、続きます。

Join Us / 結びのメッセージ

「橋」は、一人では架けられない。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

このコンセプトブックでお伝えしたかったのは、単なるビジネスプランではなく、私たちの「決意」です。

私たちファームブリッジが架けようとしているのは、

地方と都市を、

熟練世代と次世代を、

そして、「今」と「未来」をつなぐ橋です。

ですが、どれほど頑丈な設計図(構想)があっても、橋は一人では架けられません。

この想いに「共感」してくださる方。

谷田部さんのような「本物」の生産者の方。

私たちの「仕組み」を必要としてくれる地域の方。

そして、この「未来」を一緒に信じてくれる、消費者であり、パートナーである、あなたへ。

私たちと一緒に、「未来へつなぐ橋」を架けませんか?

ぜひ、あなたの声をお聞かせください。

2025 FARM BRIDGE Produced by 東都ゼミナール